○豊後大野市私債権の管理に関する条例

平成27年12月24日

条例第56号

(目的)

第1条 この条例は、豊後大野市(以下「市」という。)の私債権の管理に関する事務の処理について一般的な基準その他必要な事項を定めることにより、私債権の管理における公正性・公平性を確保するとともに、当該管理の合理化・効率化を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 市の私債権 金銭の給付を目的とする市の権利のうち、契約など私法上の原因に基づいて発生する債権で規則で定めるものをいう。

(2) 私債権の管理に関する事務 市の私債権について、債権者として行うべき保全、徴収、内容の変更及び消滅に関する事務をいう。

(3) 債権管理者 市長及び地方公営企業法(昭和27年法律第292号)第7条に規定する管理者をいう。

(他の法令等との関係)

第3条 市の私債権の管理に関する事務の処理については、法令又は他の条例若しくは規則(地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第2項に規定する規程及び地方公営企業法第10条に規定する企業管理規程を含む。以下同じ。)に特別の定めがある場合を除くほか、この条例の定めるところによる。

(債権管理者の責務)

第4条 債権管理者は、法令又は条例若しくは規則の定めに従い、市の私債権の徴収に努めなければならない。

(台帳の整備)

第5条 債権管理者は、市の私債権を適正に管理するために台帳を整備するものとし、その内容については、規則で定める。

(督促等)

第6条 債権管理者は、市の私債権について、履行期限までに履行しない者があるときは、規則で定めるところにより期限を指定してこれを督促しなければならない。

2 債権管理者は、前項の規定により督促状を発したときは、規則で定めるところにより督促手数料を徴収する。

(遅延損害金)

第7条 債権管理者は、前条第1項の規定により督促状を発したときは、市の私債権に係る契約書等(契約書その他これに準ずるとみなされるものをいう。第9条において「契約書等」という。)に別段の定めがある場合を除き、当該債権の履行期限の翌日から納付の日までの期間の日数に応じ、履行期限の翌日における民法(明治29年法律第89号)その他の法律で規定する法定利率の割合を乗じて計算した金額に相当する遅延損害金をその債権の元本に加算して徴収する。

(強制執行等)

第8条 債権管理者は、市の私債権について、第6条第1項の督促をした後、相当の期間を経過してもなお履行されないときは、地方自治法施行令(昭和22年政令第16号)第171条の2に基づいて、担保の処分、担保権の実行、保証人に対する履行の請求、強制執行の手続及び訴訟手続による履行の請求の措置をとらなければならない。ただし、第10条第1項の規定により保全及び取立てを停止する場合又は第11条の規定により履行期限を延長する場合その他特別の事情があると認める場合は、この限りでない。

2 強制執行等のうち訴訟手続により履行を請求しようとする場合は、市長は、「地方自治法第180条第1項の規定による市議会の権限中軽易なる事項の指定」(平成17年7月15日議決)第3項の規定に基づき専決処分をすることができる。

3 市長は、前項の規定により訴訟手続による履行請求をしたときは、これを議会に報告しなければならない。

(履行期限の繰上げ等)

第9条 債権管理者は、市の私債権について、法令又は契約書等の条項に従って、履行期限の繰上げ、配当の要求その他債権の申出、担保提供(保証人の保証を含む。)の請求又は債権保全処分等の必要な措置をとらなければならない。

2 債権管理者は、市の私債権のうち貸付金に係る債権について、債務者が分割支払の履行を遅滞したときに期限の利益を喪失させ、債務者をして元利金の全額を直ちに支払わせることができるよう、貸付けに係る契約書等に当該条項を定めなければならない。

(徴収停止)

第10条 債権管理者は、市の私債権で履行期限後、相当の期間を経過してもなお完全に履行されていないものについて、次の各号のいずれかに該当し、及び履行させることが著しく困難又は不適当であると認めるときは、以後その保全及び取立てをしないこと(以下「徴収停止」という。)ができる。

(1) 法人である債務者がその事業を休止し、将来その事業を再開する見込みが全くなく、かつ、差し押さえることができる財産の価額が強制執行の費用を超えないと認められるとき。

(2) 債務者の所在が不明であり、かつ、差し押さえることができる財産の価額が強制執行の費用を超えないと認められるときその他これに類するとき。

(3) 債権金額が少額で、取立てに要する費用に満たないと認められるとき。

2 債権管理者は、前項の規定により徴収停止をした後に、その徴収停止に係る債務者につき適用した規定に該当する事実がないと認めるときは、その徴収停止の措置を取り消さなければならない。

3 保証人に対して履行を請求することができるときは、主たる債務者の債務については、第1項に規定する徴収停止をしないものとする。ただし、次項の規定により保証債務について徴収停止をした場合は、この限りでない。

4 第1項の規定は、保証債務について準用する。この場合において、「債務者」とあるのは「保証人」と読み替えるものとする。

(履行延期の特約)

第11条 債権管理者は、市の私債権について、次の各号のいずれかに該当する場合は、その履行期限を延長する特約をすること(以下「履行延期の特約」という。)ができる。なお、当該債権の金額を適宜分割して履行期限を定めることを妨げない。

(1) 債務者が無資力又はこれに近い状態にあるとき。

(2) 債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり、かつ、その現に有する財産の状況により、履行期限を延長することが徴収上有利であると認められるとき。

(3) 債務者について災害、盗難その他の事故が生じたことにより、債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であるため、履行期限を延長することがやむを得ないと認められるとき。

(4) 損害賠償金又は不当利得による返還金に係る市の私債権について、債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり、かつ、弁済につき特に誠意を有すると認められるとき。

(5) 貸付金に係る市の私債権について、債務者が当該貸付金の使途に従って第三者に貸付けを行った場合において、当該第三者に対する貸付金に関し、第1号から第3号までのいずれかに該当する理由があることその他特別の事情により、当該第三者に対する貸付金の回収が著しく困難であるため、当該債務者がその債務の全部を一時に履行することが困難であるとき。

2 債権管理者は、市の私債権の履行期限後においても、前項の規定により履行延期の特約をすることができる。この場合において、既に発生した履行の遅滞に係る遅延損害金その他の徴収金(以下「遅延損害金等」という。)に係る市の私債権は、徴収すべきものとする。

3 保証人に対して履行を請求することができるときは、主たる債務者の債務については、第1項に規定する履行延期の特約をしないものとする。ただし、第10条第4項の規定により保証債務について徴収停止をした場合は、この限りでない。

(免除)

第12条 債権管理者は、債務者が無資力又はこれに近い状態にあるため履行延期の特約をした市の私債権について、当初の履行期限(当初の履行期限後に履行延期の特約をした場合は、最初に履行延期の特約をした日)から10年を経過した後において、なお、債務者が無資力又はこれに近い状態にあり、かつ、弁済することができる見込みがないと認められるときは、当該債権及びこれに係る遅延損害金等を免除することができる。

(権利の放棄)

第13条 債権管理者は、市の私債権について、次の各号のいずれかに該当する場合は、当該債権及びこれに係る遅延損害金等を放棄することができる。

(1) 第10条第1項第2号に該当して徴収停止の措置をとった当該債権について、徴収停止が3年間継続したとき又は消滅時効に係る時効期間が経過したときのいずれか遅いときにおいても、同号に該当する事実があり、なお履行させることが著しく困難又は不適当であると認められるとき。

(2) 債務者が死亡し、その債務について限定承認があった場合において、相続財産の価額が強制執行をした場合の費用並びに他に優先して弁済を受ける債権及び市以外の者の権利の金額の合計額を超えないと見込まれるとき。

(3) 破産法(平成16年法律第75号)第253条第1項、会社更生法(平成14年法律第154号)第204条第1項その他の法令の規定により、債務者が当該債権について責任を免れたとき。

(4) 債務者が生活保護法(昭和25年法律第144号)の規定による保護を受け、又は老年者若しくは障害者で生活保護法の適用基準に近い生活程度の状態にあり、資力の回復が困難で、当該債権について履行の見込みがないと認められるとき。

2 債権管理者は、前項の規定により市の私債権を放棄したときは、その旨を債務者等に通知しなければならない。

3 債権管理者は、第1項の規定により市の私債権を放棄したときは、これを議会に報告しなければならない。

4 保証人に対して履行を請求することができるときは、主たる債務者の債務については、第1項に規定する権利の放棄をしないものとする。ただし、第10条第4項の規定により保証債務について徴収停止をした場合は、この限りでない。

(委任)

第14条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成28年4月1日から施行する。

(豊後大野市水道事業給水条例の一部改正)

2 豊後大野市水道事業給水条例(平成17年豊後大野市条例第236号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

豊後大野市私債権の管理に関する条例

平成27年12月24日 条例第56号

(平成28年4月1日施行)